トライク、と呼ばれる乗り物があります。

オートバイの後輪を二輪化(車両によっては前輪を二輪化)したようなスタイルで、法律的にも立場的にも微妙な位置づけにある車両です。

過去記事でATV~フュージョントライクを経た私がたどり着いたのが、題にあるLIFAN250トライク、YAMAHAビラーゴのコピー車両がベースとなったものです。

参考過去記事

泡沫の夢と散ったバギー(ATV)

フュージョントライクという異形の乗り物

YAMAHA ビラーゴ

YAMAHA XV250

1988年、ヤマハ発動機より発売されたビラーゴはクルーザー型の先駆けとも言える車両で、各部に発展途上な要素がありながらも、今でも根強いファンを持つ名車です。

このビラーゴの排気量248cc車両(XV250)のコピーバイクとして、中国の「力帆集団(リーファン)」から発売されていたLIFAN250という車両があります。

ホンダフュージョンのように技術提携によるものなのか、それとも無断コピーとなるのか、その辺りは詳しく調べてもわかりませんでした。

LF250-B

 

何度かモデルチェンジを繰り返しましたが、日本国内で「ビラーゴコピートライク」のベースになっているのは、この「LF250-B」が主です。

各所にメッキパーツを多用し、タンクやヘッドライト、エアクリーナーなどは違いますが、基本的な構造はビラーゴに酷似しています。

私が購入したのも、この車両がベースとなっているトライクになります。

LF250トライク

いつものように夜な夜な調べたり悩んだり・・・としていたある晩、中古バイク販売サイトで、前日までは無かった中古トライクが入荷しているのを発見しました。自宅からそう遠くない距離の店です。

そのトライクは私も良く知っており、例の友人のショップを手伝っていた頃(この時、友人はすでに店をたたんでいます)、付き合いのあったトライク類を扱うショップで販売されていたものでした。

何度か実車も拝見し、造りなどに関してもそちらのショップオーナーから聞いており、中国車両ベースとはいえ高いクオリティで組まれていると感じていた車両です。しかし販売価格は100万円以上。中国製トライクとしては常識ハズレの設定のため、選考外としていました。

それが「走行距離60km・乗り出し30万円」という破格で掲載されているのです。

翌朝すぐに電話し、そのまま急いで店へ向かいました。

LIFAN250トライク

これがその車両です。お店でいろいろ話を聞いてみると、やはり前オーナーは私の知っているショップで購入したとの事。

年配の方だったらしいのですが、これを購入して知人に自慢したところ、その知人がハーレートライクを購入して逆自慢をしてきたので・・・・すぐに真似してハーレートライクを購入したそうです(笑)

その方が「処分困ってるから、いくらでも良いから売っちゃって」と委託販売した車両でした。

私も人の事を言えませんが、なんとも豪快な無駄遣いです(笑)

お店としても、はっきりとは言いませんでしたが、明らかに「こんなもん扱いたくないし、儲けなんて無くて良いからさっさと処分したい」といった姿勢です。それゆえの破格設定でした。

純粋なバイクショップには嫌われがちなトライクという乗り物ですが、こういう場合はむしろ好都合。

低走行距離でこの低価格ですからやはり掲載初日から多くの問い合わせがあり、商談中との事。「あなたが今ここで「買う」と言ってくれるならば、他は断る」との事だったので、「買います」と即答しました。

まずは分解・点検&改修

多少なりともトライクを扱う店で手伝いをしていたので、ある程度の知識と経験があります。

まずは必ず見ておかなければならないポイントと、補修しておかなければならない部分。こういった中国製トライクを初めて購入した方の参考にもなれば幸いですので、箇条書きでまとめてみます。

ベアリングは最優先

中国製のベアリングの品質は問題外ですので、必須の点検項目です。私のは問題無くNTN製のベアリングが入っていました。

ベアリング交換の手順は写真抜きでは説明しづらいので、後程記事にできればと思います。

リア周りを重点的に

スイングアームから前は、バイクの状態そのままの場合がほとんどです。このへんがマトモに造られていない車両は論外。命を預けて乗れません。

ポイントは「トライク化」させたリア周りです。同じベース車両を使用したトライクでも、販売者や製造時期、個体差によって大きく違います。

ホーシングタイプのトライクの場合、補強がしっかりしていないと乗っている間に歪んできます。スイングアームに2点で固定されているタイプの場合は、補強を考えましょう。

リアフェンダーに緩衝処理

これが以外と盲点です。私のトライクのようにサイクルフェンダー(ステーでフェンダーを固定している形)の場合、リアフェンダーが振動で割れてきます。ステーとフェンダーの間にゴムクッションを挟み、割れ防止処理をしておきましょう。

なお、このリアフェンダーのステー、走行中は常に振動しているために長期間乗っていると金属疲労で折れる事があります。私も10年間で3度折れました。

リアフェンダーステー

折れたフェンダーがリアタイヤに触れると、巻き込まれて吹っ飛んでいくので非常に危険です。こまめに点検しましょう。

テール&ウインカー

気を付けなければならない点は挙げて行ったらキリがないのですが、とりあえず最低限はチェック&補修しました。

ついでにリアフェンダー上にブレーキランプとウインカーを設置します。

真ん中1発のテールランプでは後続車両に車幅を誤認させる危険がありますし、法律的にも左右に必要とされる場合があります(このあたりは非常に面倒な部分で、細かく書くと長くなりますので・・とらえず付けておいたほうが無難、と思っています)

サイドテール

このように2灯式のテールランプを色違いにし、加工を施してリアフェンダー上に設置しました。

なにせ10年以上前の事ですので、写真が残っていません。

完成

数少ない当時の写真です。ナンバーの隠し方が時代を感じさせます(笑)

左右リアテールランプはこのような形になりました。

長い相棒として・・

所詮は中国製車両がベースですし、いくらそれなりに良い品質とは言っても、国内メーカーでしっかりと製造された高級なトライクではありません。

これが切れるまで乗れれば御の字・・と、自賠責保険は3年掛けました。

この時はまさか、この車両が人生の相棒と呼べるほど乗れるとは思っていませんでした・・・が、今日はこのくらいにしておきます。

日記なのか雑記なのか、情報ブログなのか、よくわからない文章になってしまいましたが・・・お付き合いいただきありがとうございます。


このトライク、その後大幅にイメージチェンジをしています。

10年乗り続けた中華トライクをリノベーション

ビラーゴコピー車、リーファントライクとの出会い” に対して2件のコメントがあります。

  1. トライク乗り51 より:

    最近、ネットでビラーゴ250トライクを買いました。
    てっきり国産ビラーゴだと信じ切って買い、バイク屋さんでメンテナンスをしてもらっていたらこれ中華製?エンジンのナンバーが国産ビラーゴとは違うよと言われました、みると3BG-○○┅、そちら様のエンジンはリーファン製とのことですが、3BGでしょうか?違っていたらどこ製か解りますか?
    どこ製であろうが縁あって手元にきた車両なので愛情込めて付き合っていこうと思ってます。

    1. ゴン より:

      諸事情により気付くのが遅れてしまい、返信遅くなってしまいました。すいません。
      えーと、こちらのエンジンは3BGではありませんでした。
      ずいぶん昔からビラーゴコピー車両ベーストライクを、あたかも国産ビラーゴベースのように販売しているトコが何店舗かあるんです…。
      購入したのは新車でしょうか、中古車でしょうか?オイルフィルターキャップはYAMAHAの物になっていましたか?
      詳しい情報がないので確実な事は言えませんが、ビラーゴコピー車はほぼリーファン製だと思います。
      中国製の中では信頼性の高いエンジンですので、意外と長く乗れたりしますよー。ハズレを引いていなければ…ですけど(汗)

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