以前「バギーと呼ばれた乗り物、泡沫の夢・・・」にて、ATVを購入した経緯について少し触れましたが、その後、こりもせずに新たなゲテモノに手を出しています。
それが今回垂れ流す「フュージョントライク」になります。
HONDA FUSION
1986年に本田技研工業から発売された自動二輪車。1997年に生産終了したものの、その後のビッグスクーターブームで注目が集まり販売再開された・・という経緯を持つ、現在でも根強いファンのいる車両です。
このフュージョン(MF02)はODAによる技術支援として中国でも生産される事となりますが、無断コピー車両が溢れる結果となり、訴訟問題まで発展しています。
その無断コピーの副産物として生まれてきたのが・・こちら。
フュージョントライク、と呼ばれる車両。
国内生産のMF02をベースにした物もありますが、大半は中国で生産されたCF250もしくはその無断コピー版の車両をベースとしています。
様々なバリエーションがあり、写真のようなフルカバードタイプは数が少なく、後輪むき出しのタイプが多く出回っています。
ルックスと基本的な設計こそフュージョンですが、中国生産版は正規品には遠く及ばず。無断コピー版に至っては、非常に粗悪な造りの物も多く存在しています。
所有に至った経緯
前記事でお話しましたが、友人がこのような車両を取り扱うショップを立ち上げたのが所有のきっかけでした。
とある顧客にこの「フュージョントライク」を陸送にて販売したのですが、納車後すぐにクレームが入ったそうです。
「ハンドルがブレるし、曲がれない。こんな不良品を売りつけるなんて」
・・・と、電話で喚き散らし、挙句の果てに
「怖くて乗っていられないので、乗り捨てた。返金して欲しい」
と要求されたとの事。
私は店に入り浸って組み立てや修理を手伝ってはいたものの、正式な従業員ではありませんから経営にはノータッチです。結局全額返金し、車両は現地のバイクショップにお願いして探しに行ってもらう事に。なんとキーを付けたまま国道沿いに放置してあったそうです。
車両が戻ってきて細かく点検したのですが、特に不具合はなく、走行に支障もありません。そもそも、トライクというのは曲がりづらい乗り物です。特性を理解せず、軽いノリで「ノーヘルで目立ってイエーイ」とやりたいがために購入するほうが問題だと思うのですが、そこは仕方のない話。
そしてこのいわくつきの車両を、友人が私に「引き取らないか?」と持ち掛けてくるわけです。
しかも新車販売時とほぼ同額です。返金や引き取りで大きな赤字になったのはわかるのですが、それを友人で補填しようとする姿勢はどうかと・・・・。
非常に悩みましたが、過去に大きな恩のある友人ですので、恩返しのつもりで購入する事にしました。
カスタム性は高い
フュージョンは販売台数も多い車両なので、豊富にカスタムパーツが展開されています。この車両にも大半が使用できるので、カスタムパーツの入手などは容易でした。
これが私が乗っていた頃の車両。ひときわ目を引くヘッドライト部は「ナイトフェイスエアロバイザー」というパーツです。たしかそれだけで5~6万円だったような気がします。
そんな無駄に高いパーツを取り付けたのには理由があり・・・・実は私、正直フュージョンをカッコ良いとは思えないのです。むしろカッコ悪いと感じます。
友人は「フュージョンはカッコ良い」「オートマのほうが楽で良い」との価値観でしたが、私はそのどちらも好きではありません。
それでも、少しでも愛着をもって乗ろう・・との思いから各所カスタムしました。
やはり遠く及ばず
結論から言ってしまえば、この車両はハズレでした。
返品理由とされたハンドル系の問題はありませんでしたが、購入後まもなく燃料系統に問題が発覚。
上り坂や二人乗りなどで負荷が大きくかかった際、使用されている負圧式の燃料ポンプでは燃料不足を起こしてエンストしてしまうのです。
この点は友人が正規フュージョン用の電磁ポンプを用意してくれました。
・・・が、今度は余計に装備されているバック機構のせいでミッション周りが死んでしまいました。
トライクは取り回しが大変になるため、バック機構が付いている車両も多くありますが・・・不具合の原因にもなる事も多いです。
結果、1年経たずにこの車両は廃車となりました。
その心萎えず
本当に無駄金となってしまったフュージョントライク。ローンでの購入だったので、無駄に2年間の支払いだけが残りました。
普通であればここで
「もうこういう乗り物はやめよう」
となるのですが、私は奇人ですので・・・
「他人に勧められた物を買ったのが失敗。しっかり自分で判断して購入しよう」
となるのです。やはり信じられるのは己の価値観だけです。
実に愚かな人間です。思い返してみれば、私が現在のような「特殊な嗜好と思考を持った変人」になってしまったのは、この頃がきっかけだったような気がします。
運命の車両と出会う
やはり私はビッグスクーターは好きになれません。AT車に乗りたいとも思いません。
本当に乗りたいのは、クルーザータイプです。一般的にはアメリカンと呼ばれる形ですね。
しかしフュージョントライクで抱えた無駄な2年ローンもありますし、新たにローンを組んでの購入は躊躇してしまいます。もちろん全額現金で購入などできるはずもありません。
毎晩毎晩、悩んでは調べ、悩んでは調べ・・・を繰り返していたところで、ついに見つけてしまったのです。
しかしそれは次回のお話。
「ビラーゴコピー車、リーファントライクとの出会い」で垂れ流す事にします。。。。