「ビラーゴコピー車、リーファントライクとの出会い」でご紹介した中華トライク。

購入時は「せいぜい数年乗れれば・・・」との思いだったのですが、その予想を裏切り、10年も乗り続ける事になってしまいました…。

10年の節目を迎えて

LIFAN250トライク

こちらが購入した当時の姿。10年前ですのでスマホなんてありません。二つ折り携帯撮りです(笑)シーシーバーと風防は前オーナーが取り付けたようです。

「これが切れるまで乗れれば御の字」と思って掛けた3年の自賠責保険が切れ・・・

「無理だと思うが、とりあえず」と思ってさらに3年の自賠責保険を掛けるも、それも満期を迎え・・・

「まさかこれも・・・」と再び3年間の自賠責保険を掛けましたが、しっかり更新の時期まで乗り続ける事ができました。

現在、さらに3年掛けた自賠責も残り1年となっています。

買い替えを検討

私の場合は「暖かい季節に趣味として乗る」といったレジャー的な乗り方ではなく「日々の足」がこのトライクです。

365日、どこかに出かける時はいつもコレ。近所の買い物でも乗りますし、バイク仲間とのツーリングにも使用します。

しかしさすがに高速道路で長距離移動・・といった使い方は躊躇しますので、そろそろ大型の車両が欲しいと感じていました。

この車両に乗って10年。買い替えの節目として丁度良いのではないか・・・・と。

仕事柄あちこち動き回るので…そちらの長距離移動にも使用するため、大手販売店から国産車両ベースのしっかりした大型トライクを購入するつもりでした。

そして最近バイク乗りの友人が急に増え始め、頻繁にツーリングなどにも行くようになってきたのです。

私は10年間、ソロ以外で走った事がありませんでした。

もともと独りが大好きで群れるのを嫌う性分ですし、中華トライクという明らかに異端な乗り物ですので、誰かと共に楽しむ・・という発想がそもそもありません。バイク乗りから白い目で見られる乗り物であるという事は重々承知しています(笑)

もちろん現在でも圧倒的にソロのほうが楽しいです。・・が、こんなゲテモノ乗りを受け入れてくれるバイク仲間ができたことで「少しはマトモなトライクに乗ろう」と考えた事も買い替えの理由です。

 

予算などを検討しつつ、次の車両を考えてはみるのですが・・・やはり10年も一緒に過ごしてしまうと、愛着が湧いてしまいます。

ビラーゴ(のコピーですが)の華奢で小柄なスタイルも好きですし、エンジン&ミッションも良好。時々不具合は出ますが、そういう部分はもう慣れっこです。事故に繋がるような致命的な問題もありません。

まだまだ、捨てるには惜しい車両です。

ならば・・・

買い替え予算を投入し、整備&カスタムという手もあるのではないか!?

と考え始めました。

傍から見れば「こんなもんに何十万もつっこむなんてアホか」となるのでしょうが、そんな事は中華トライクに乗り続けている時点で何度も経験済みです。毒を食らわば皿まで、です。

なお、一連の作業はスライド動画としてYoutubeでも公開されています。文末にリンクを貼りますので、動画形式でご覧になりたい方はそちらからどうぞ。

大幅改修

LF250T

こちらが改修前の車両。ベースはYAMAHAビラーゴのコピーである、力帆集団(リーファン)製のLF250です。

ヘッドライトをドラッグスター1100の物に換装、それ以外で大きく変わっている点はマフラーとハンドルくらいです。

まずはこの「いかにも中華トライク」といったルックスをどうにかせねばなりません。

分解

まずは外せる部品を全て外していきましょう。

リア周り

トライク部はシンプルなホーシングタイプ。この形式は構造がシンプルで良いですね。

独立懸架のほうが乗りやすいとは思うのですが、私はむしろカーブの体重移動が変な感じでダメです。えいやっ!っと内側にしっかり荷重を移動させて曲がるのに慣れてしまったので…。

タンクおろし

タンクを降ろしました。詳しい方はご存知だと思うのですが、ビラーゴのエアクリーナーはフレーム前部に取り付けられています。エアはそこからフレーム内部を通過し、キャブの真上から吸い込む・・・というキテレツな方式になっています。

このLF250はフレーム前部ではなくタンク内側付近に穴が開いており、そこから下に延長する形でエアクリーナーが取り付けられています。

分解

分解はとりあえずここまで。リア周りを分解すると動かせなくなるので、そのへんは随時外しながらやっていきます。

エンジン周りは手をかける必要がないのでそのままです。

塗装

私はメッキパーツがあまり好きではなく、どちらかというとラットな方向に魅力を感じるので、カラーリングはマットブラックに変更します。

塗装剥がし

まずはタンクの塗装をディスクグラインダーで剥がします。

ほぼ全体を塗装する予定なので、他のパーツもヤスリなどでアタリを付けていきます。

メーター周り

本当はメーターをサイド出しにしたかったのですが、諸事情によりタンクオンのまま。

見た目に違和感があるので、パテで肉盛り成形して埋め込み風のルックスに変えます。

塗装ラック君

じゃじゃん。ここで「スーパー塗装ラックくん」を登場させます。室内用洗濯物干しを改造したものです。というかそのままです(笑)

利点は…フックなどを利用することで360℃全方向から一気に塗装を終わらせられるという点。

欠点は…部屋で洗濯物が干せなくなる事と、後でカミさんに怒られる、です。

塗料は2液ウレタンのスプレー式を使用しています。

細かい部分は自作

ハンドル周りをシンプルにするため、スイッチ類は右手側に「セル」左手側に「ウインカー・ホーン」のみに変えます。キルスイッチは排除しました。

ヘッドライトは常時点灯ではないので、灯火スイッチを別途取り付ける必要があります。

使用したのは建築資材の電気配線用のボックスです。

スイッチボックス

ライトON/OFF、HI/LOW、ついでに停車時用のハザードスイッチの穴をあけます。

スイッチ接続

このようになりました。これをフレームに取り付けます。

位置はビラーゴ本来のエアクリーナー穴が開いている場所。このコピーバイクは穴埋めされて平面になっていたので、面積的にも最適でした。

取り付け

固定後、根本をメタルパテで肉付けして塗装。フレームと一体感を出してみました。

ビラーゴはシート下付近のサイドにリレー類が入っており、プラスチック製のカバーが装着されています。

ここにも同じ材料を使用して・・

リレーボックス

このようにリレーボックスを作りました。

リレーボックス外観

フタを閉めるとこうなります。

続いてリアフェンダー上にブレーキランプとウインカーを作成します。

リアランプ

バードケージウインカーというカスタムパーツを利用し、スリットの向きを90℃回転させて立向きに改造。2個のうち片方をブレーキランプと連動させて車幅灯とするので、レッドランプに変更します。

ここはかなり難航しました。。。

走行中に激しく振動するため壊れやすい場所ですし、ルックスにも大きく影響するので手を抜かずにきっちり作り上げました。

足回りはこだわりたい

フロントタイヤはADLERT CLASSIC(旧DURO)に履き替えて、クラシック感を出します。

ビラーゴのフロントリム幅は18x1.6と細いのですが、装着したタイヤは18x4.0。適合外のオーバーサイズになります。車体を傾ける事のないトライクなら大丈夫なのでは・・・という希望的観測で取り付けました(追記:長期間乗りましたが問題は発生していません)

続いてリア。トライクのリアタイヤは基本的に自動車用になるのですが、そのリアホイールがまた問題でして・・・。

国産の乗用車のピッチ(P.C.D)は、ほぼ100mmか114.3mmになります。しかし中華トライクのハブのピッチは大半が110mm。

これは中華トライクやバギーを所有していて「いかにも中華といった見た目のホイールが嫌なので交換したい」と考えた事のある方なら、わかる悩みだと思います。

今回は非常に幸運な事に、このようなホイールを発見できました。

ホイール

旧車用、WORKの14インチホイールです。ピッチは110mm。前オーナーもトライクで使用していたのか、2本だけのセットで中古販売されていました。

組み上げ

本当はもっと様々な部分を自作したり、交換したりしているのですが・・・・全てを解説してしまうと膨大な記事になってしまいますし、なにより作業時は記事にするつもりなどなかったので、写真も限られた部分しか残していませんでした。。。

・・という事でくみ上げます。

フロントタイヤ

フォークは一部を残してマットブラックに塗装し、フォークブーツを装着。

雰囲気を出すためにフロントフェンダーは無しです。

リア組み

ホイールのオフセットの関係で、以前よりも左右約5cmづつ内側に入りました。

車幅が狭くなるとカーブでの安定性を失うのですが、よりクイックに走行できるようになるかもしれませんので、この幅のままで。そのぶんリアフェンダーも大幅に加工しています。

(追記:左右5cmづつの車幅変更は意外に差が大きく、カーブは速度を落とさないと曲がれませんでした・・・が、人は慣れるもので。1~2ヵ月もするとすいすいと走れるようになりました)

リア周り

センターリアフェンダー(バイク本来のリアフェンダー)は、内部の鉄製フレームのみをむき出しで使用します。純正フェンダーより小さく、無骨感が出ました。

シートはシングル、気合のスプリング無し。タンクも良い雰囲気で収まっています。

完成

完成リア

完成です。センターブレーキランプもバードゲージにし、左右と雰囲気を合わせました。

ちょうどこのカスタムと同時に家の外構工事もしていたので、そちらもほぼ完成です(笑)

完成フロント

見えづらいですが、フロントウインカーはリアフェンダー上の物と同じ物(バードゲージウインカー)を使用しています。

ハンドルが少々違和感ありますが、よりアグレッシブなルックスにするため、この数か月後にタコロボ(Zバー)に変更しています(現在の写真は末尾にて)。

横からのルックスを改修前と比べてみます。

LF250T
カスタム前
完成サイド
カスタム後

私は身長がデカい(187cm)ので本来であればビラーゴの車格は小さすぎたのですが、シングルシートを直接フレーム上に配置することで、若干後ろに移動し、乗車姿勢も見た目が良くなりました。

特徴的だったエアクリーナーはクラシックスタイルのシンプルな物に。キャブのバランスが狂ってしまったため、この後かなり苦労してセッティングしています。。。

終わりに

こうやって比べてみると「よく今まで10年も、こんな中華まる出しのダサいヤツに乗っていたなぁ・・・」と恥ずかしくなります(笑)

改修にかかった期間は約2ヵ月。費用は合計で約30万かかりました。

「中華トライクにそこまで・・・」と思った方、実に正しい意見だと思います。

こんなバカみたいな乗り物にそこまで金をつっこむなら、マトモなバイクを買ったほうが断然良いです。いやホント。

しかし私のような変人にとって、これはとても意味と価値のあるリノベーションとなりました。

これからさらに10年、コイツと遊んでいきたいと思っています。

トライク

現在はハンドルをタコロボに変更し、このようなスタイルになっています。

かなり写真も多く、長い記事となってしまいましたが・・・最後までお付き合いいただきありがとうございました。

こちらがYoutube動画になります。スライド写真での文字流し形式となりますが、記事よりもふざけた作りになっていますので、よろしければご覧ください。

10年乗り続けた中華トライクをカスタム&リニューアル!” に対して2件のコメントがあります。

  1. 三浦 徹 より:

    どうもはじめまして。自分も今中華のトライクに乗ってtるんですけど。icebear のロードウォリアーってわかりますか?

    1. ゴン より:

      はじめまして。返信遅くなってしまいました。すいません。
      ロードウォリアーは所有したことはありませんが、知っていますよー。
      ちょこちょこ仕様が変わっているので、そちらで所有しているものと同型かどうかはわかりませんが…トライク販売に関わっていた頃に現車を触った事もありますー。

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